退職金が入ると嬉しいものですが、不安も襲ってきますよね。
今後、大きい収入が入ることはありません。
退職金をどうしていくかは、老後生活を失敗しないためにとても重要です。
退職金は銀行口座に振り込まれます。
すると、必ず銀行から「退職金運用しませんか?」とセールスされます。
銀行が勧めるからといって、安易に投資信託、保険、個人年金、ファンドラップに手を出してはいけません。
特に投資信託やファンドラップはリスクが大きいです。
銀行員はあなたに最適な退職金運用の商品を勧めているのではありません。
銀行の利益率が高い商品や、担当者のノルマ達成のために投資商品を勧めています。
銀行の言うことを鵜呑みにして、大切な退職金を大きく減らしてしまう人がたくさんいます。
特に「今まで投資をしたことがない」という人が、退職金運用に失敗しやすいです。
では、どうすれば退職金運用に失敗しないのか?
さっそく見ていきましょう(^^)
退職金運用に失敗する人の特徴
退職金運用に失敗する人は「運用をまかせきりにする人」です。
銀行や証券会社に投資信託やファンドラップを勧められて、「運用を任せられるなら楽でいい」と思って投資してしまう人です。
投資信託やファンドラップは、信託手数料がかかります。
あなたが投資したお金が増えようが減ろうが、一定の信託手数料がかかります。
つまり、銀行や証券会社は、あなたのお金が増えようが減ろうが儲かります。
投資をする上でもっとも危険なのは「自分でコントロールできないところにお金が行ってしまうこと」です。
もし資産価値が下落した場合には、すぐに引き出せるなど、何らかの手を打てる状態にしておくことが重要です。
お金の自己管理をできることが、もっともリスクを下げる方法です。
投資信託やファンドラップは、投資活動を任せてしまう方法ですから、自分でお金をコントロールできない状態になってしまうため危険なのです。
投資を他人に任せてしまうと、どうしても「自分のお金が今どうなっているのか?」を見なくなります。
「うまくやってくれているんだろう」と思って、安心してしまうのです。
ようは「いちいち自分のお金の動きを確認するのが面倒くさい」ということですね。
自分のお金の動きを見なくなるのはもっとも危険です。
銀行や証券会社の投資信託やファンドラップに任せきりにしていたところ、いつの間にか退職金が目減りしていたという人が多いです。
本当に利益の出る投資商品は買えない
年間で新発売される投資信託など投資商品は、数千本あると言われています。
その中で、継続的に利益を出し続けられる投資商品は数本しかありません。
99%以上の投資商品は利益を出し続けることができないのです。
年に数本だけ出る優良な投資商品は、一般の人には情報が回ってきません。
もし、あなたが証券会社の営業マンだとしたら、
- 資産5000万円の人
- 資産50億円の人
どちらに営業に行きますか?
当然、②の「資産50億円の人」ですよね。
証券会社も銀行も商売ですから、より多く買ってくれる人のところから話を持っていきます。
特に、優良な投資商品は必ず富裕層から営業に行きます。
富裕層はたくさん買ってくれるのもメリットですが、優良な投資商品を富裕層に提案して儲けてもらえば、次もまた買ってくれます。
そのため、優良な投資商品ほど富裕層に行ってしまいます。
優良な投資商品は富裕層で売り切れてしまい、一般の人に情報が来ません。
銀行や証券会社の窓口で販売しているような投資商品は、あまり良いものではないということです。
短期の投資商品を勧められたら要注意
1年や2年など、短期償還の投資商品を勧められたら投資してはいけません。
短期の投資商品は、銀行や証券会社の営業マンが儲かる方法だからです。
投資期間が短期だと、期間が終了したらまた新たな投資商品を購入する可能性がありますよね。
営業マンにとっては「新規の契約を1人のお客さんから何度ももらえる」というメリットがあるから、短期の投資商品を勧めてくるのです。
そもそも、投資は長期で行うものです。
短期投資ほどリスクが高いです。
長期の商品でじっくりと運用を行うのが、リスクを下げる方法です。
投資の世界では有名な「ウォーレン・バフェットさん」も、短期投資はやらないそうです。
一度買ったら長期で保有することで成功しています。
銀行や証券会社の営業マンにはノルマがある
退職金運用に金融商品を勧めてくる銀行や証券会社の営業マンには、ノルマがあることを忘れてはいけません。
「おすすめの投資信託ですよ!」と勧められても、営業マンはノルマ達成のために必死のケースが多いです。
ようは、「あなたにおすすめ」なのではなく、「あなたに買ってもらわないと今月のノルマが達成できない!お願いだから買って!」という理由で勧めてくる営業マンもいます。
特に、月末にゴリ押しで営業してくる場合は、営業マンがノルマに追われている可能性があるので注意してください。
どうしても、営業がしつこかったら、
「そんなに良いものなら、あなたがやったらどうですか?」
「そんなに良いものなら、あなたもやっているんですよね?運用成績を見せてください」
と言ってみてください。
ほとんどの営業マンは、お客さんに勧めるわりに、自分はその金融商品を買っていません。
退職金運用で比較すべき金融商品は?
退職金運用で比較する金融商品や預け先は、
- 定期預金
- 国債
- 外国債券
- 投資信託
- ファンドラップ
- 保険
- 個人年金
などです。
それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
定期預金
もっともなじみがある預け先ですね。
メリットとデメリットは、
- メリット:元本割れしない
- デメリット:増えない
です。
定期預金の金利は約0.02%です。
1000万円を預けても、1年で2000円しか利息がつきません。
これでは老後資金の足しにはなりませんね。
国債
日本国債も代表的な投資先です。
国債のメリットとデメリットは、
- メリット:元本割れしない
- デメリット:銀行の定期預金よりはマシだが金利が低い
です。
10年国債でも金利は0.1%/年しかつきません。
1000万円を預けても、1年で1万円しか増えません。
外国債券
外国債券は、海外の国の国債です。
金利は、
- 米国債10年で、1.5%/年くらい
- オーストラリア国債10年で、1.8%/年くらい
- メキシコ国債10年で、6%/年くらい
- インド国債10年で、7%/年くらい
- 南アフリカ国債10年で、8%/年くらい
です。
メリットとデメリットは、
- メリット:金利が日本より高いため、増える
- デメリット:為替リスクがあるため、元本割れすることもある
です。
例えば、南アフリカ国債は10年国債で8%/年くらいの金利で魅力的ですが、南アフリカの通貨である「ランド」の為替はけっこう変動します。
南アフリカに限らず、新興国は金利が高いですが、その分為替の変動幅が大きいため、ハイリスクハイリターンと言えます。
円安になれば良いですが、円高になると、日本円に戻したときに元本割れするリスクがあります。
投資信託
銀行や証券会社では投資信託の販売に力を入れています。
投資信託とは、運用を任せる方法です。
メリットとデメリットを見ていきましょう。
- メリット:こまめに運用成績をチェックする必要がない
- デメリット:信託手数料がかかる、運用を任せても成功するわけではない
となっています。
投資信託は運用を任せられるため、便利な投資方法に見えますが、現実はうまくいきません。
ほとんどの投資信託が利益を出せていません。
今は時代も悪いため、投資信託で利益を出せないのです。
ファンドラップ
ファンドラップとは、銀行や証券会社にお金を預けて、複数の投資信託に投資してもらって運用を任せる方法です。
ファンドラップのメリットとデメリットは、
- メリット:運用を任せられる
- デメリット:投資信託の手数料と、銀行や証券会社の手数料がかかるため、手数料が二重三重にかかる。運用を任せても元本割れすることがある
です。
最大のデメリットは手数料の高さでしょう。
銀行や証券会社、投資信託、投資先と、投資に何社もからむため、どうしても手数料が高くなります。
ファンドラップの手数料は資産額に対して1~2%かかります。
仮に、年間で3~4%の運用利益が出ても、1~2%は手数料でとられてしまいます。
さらにそこから所得税もかかりますので、手取りが小さくなってしまいます。
もちろん、運用成績が悪くても手数料はかかります。
生命保険・個人年金
退職金運用で生命保険や個人年金にお金を預けるといっても、運用方法は債券がメインです。
国債や外国債券を選べます。
メリットとデメリットは、
- メリット:死亡保険金がつく、相続税の非課税が使える
- デメリット:日本国債は増えない、外国債券は為替リスクがある
です。
ただし、中には投資信託のような生命保険・個人年金もあります。
債券よりもハイリスクハイリターンになります。
生命保険で運用中に死亡してしまった場合、死亡保険金受取人が死亡保険金を受取れます。
その際、法定相続人(死亡した人の家族)の人数×500万円は、相続税が非課税になります。
例えば、夫が死亡して、妻と子供2人が残された場合は、3人×500万円=1500万円は、相続税が非課税になります。
また、死亡保険金は相続財産に含まれないため、死亡保険金額は死亡保険金受取人だけのものです。
他の相続人が「その保険金をよこせ!」と言っても、渡す必要はありません。
死亡保険金は法律で守られた、死亡保険金受取人だけの財産です。
どの金融商品を選べば良いのか?
では、どの金融商品を選べば良いのか?
正解は『分散投資』です。
そもそも、投資の目的は「お金を増やすこと」ではありません。
『お金を減らさないこと』です。
お金を減らさないために必要なのが分散投資です。
退職金を1つの金融商品に預けてしまうと、その金融商品がダメになってしまったら大きなリスクです。
ギャンブルに近いですね。
投資先をいくつかに分けることで、どれか1つの金融商品がダメになっても、ダメージは少なくて済みます。
投資をするときは「儲けよう」と思ってはいけません。
儲けようとすることで欲がでて、投資に失敗します。
投資の勉強をしないなら退職金運用はしない方が良い
退職金運用をしようと思うなら、楽をしてはいけません。
楽してお金が儲かるようなうまい話はありません。
もし、楽をしたいようであれば退職金運用はおすすめしません。
退職金運用は老後の仕事と言っても過言ではありません。
大切なのは「どこに投資すればいいのか?」という答えを知ることではなく、投資の勉強をすることです。
「投資ってどうやるんだろう?」と興味をもって、少しずつ取り組んでみることで、自分の投資力を高めていくことがもっとも大切です。
もし、投資の勉強したくないようであれば、悪いことは言わないので退職金運用はやめておきましょう。
絶対失敗します。
自分の投資力が身につかないと、騙されちゃうんです。
銀行員、証券会社の営業マン、保険会社の営業マン、詐欺師・・・などに騙されちゃうんです。
投資力が身についてくれば、金融商品を勧められても自分で判断できます。
断る理由も説明できるようになります。
最初はリスクの低い金融商品から始めてみましょう。
債券などがおすすめです。
そして、必ず少額から始めましょう。
仮に、3000万円の退職金が入ったからといって、いきなり1000万円を投資してはいけません。
できるだけ小さな金額から分散投資をしていきましょう。
実際に体験してみるのが一番です。
国債、外国債券などを最小金額から始めてみるのも良いでしょう。
また、債券などリスクが低めの投資をする一方で、株式投資やFXなどハイリスクハイリターンの投資も最少額で始めてみましょう。
株式投資やFXは投資信託やファンドラップよりもハイリスクハイリターンです。
ですが、自分でお金を動かせるという大きなメリットがあります。
もちろん、お金を減らしてしまうリスクもありますが、少額であれば勉強代で済みます。
自分でお金を動かして投資の勉強をできるのが、一番成長が早いです。
最小金額で少しずつ始めて、慣れてきたら少しずつ投資金額をあげていくのがコツです。
まとめ
退職金運用をするときのポイントは、
- 投資の勉強をする
- 分散投資
- リスクの低いものから最少額で始めてみる
の3つです。
銀行員や証券会社の営業マン、保険会社の営業マンはノルマがあります。
安易にお金を預けてはいけません。
絶対にまかせきりにしてはいけません。
退職金運用は失敗できません。
そのため、お金を増やすことよりも、お金を減らさないことが大切です。
当相談センターでは、退職金運用の相談にも無料でのっています。
私たちは金融機関でも不動産業者でもありませんので、投資商品の販売も一切していません。
「退職金をどう運用すればいいかわからない」
「今まで投資をしたことがないが、金融機関に相談すると金融商品を勧められるのでイヤだ」
「こんな投資商品を勧められているが、第三者から見てどう思うか?」
など、どんな相談でも気軽にご相談ください。
私たちは、公平中立な第三者の立場で、無料で相談にのります。