当相談センターでは、家族信託・民事信託の相談も受けています。
信託とは、財産を持っている人(委託者)が、財産の管理を別の人(受託者)に委託して、目的に従って財産の管理や処分をすることです。
後見人制度と比較されますが、後見人制度では財産を管理することはできますが、処分することはできません。
「処分」とは、売却や譲渡など、財産を手放すことです。
※ちなみに、家族信託と民事信託は同じ意味です。
家族信託・民事信託には3人の登場人物がいます。
- 委託者:財産を持っている人
- 受託者:財産の管理を請け負う人
- 受益者:受託者の管理によって利益を受ける人
です。
家族信託・民事信託をうまく使うことで、上手に財産管理や相続を行うことができます。
家族信託や民事信託の相談事例
当相談センターに寄せられる家族信託、民事信託の相談事例をご紹介します。
- 我が家のケースでは、家族信託した方がいいのか?デメリットを教えてください
- 将来認知症になった場合、妻が自分の口座から必要な金を引き出して暮らせるようにしたいのですが、後見人制度は使いたくない。民事信託に詳しい方を近くで紹介していただきたい
- 関西圏で信託口口座の開設可能な金融機関を教えてください
- 宮城県には信託口口座開設できる金融機関はないようですが、本当でしょうか?
- 同一世帯の高齢の母が賃貸アパートを所有しています。アパート経営や業務は息子の私がやっています。母が認知症などになった場合、家族信託で母が委託者と受益者、私が受任者になれば、そういう問題も解決するのではと思いました。いかがでしょうか?
- 85歳母の判断能力あるうちに家族信託か任意後見契約移行型を結んで、預金管理や不動産管理を可能な状態にしておきたいです。具体的にどうすれば良いでしょうか?
- 母親の財産管理をしていますが、今後、民事信託の受託者として管理していくことを検討しています。アドバイスをお願いします。
- 内縁の妻がいます。自分の死後も内縁の妻を自己所有のアパートへ無償で住まわせてあげたいのですが、具体的にどうすれば良いでしょうか?
- 東京で信託口口座を開設できる金融機関を教えてください
- 父の預貯金や投資信託のを解約、実家を賃貸したり売却したいです。父母が介護施設に入るための資金作りのためです。父母が認知症になる前に家族信託を組みたいと考えています。ご相談お願いします
- 母がアパートを2棟所有しています。高齢のため認知症になる前に民事信託を組みたいと思いますが、どうすれば良いかわかりません。
- 母が亡くなり死亡保険金が入りました。父親はギャンブル依存症で、母の死亡保険金が勝手に父に使われないように家族信託を組みたい
- 将来、私が認知症になった場合に、銀行口座凍結などにより妻の生活が立ち行かなくなるのではないかと心配しています。家族信宅が有効と聞きましたので、相談させてください
- 最近、母の物忘れがひどくなり、自宅の土地・建物の所有は母であるため、今後の病状変化に伴い、不動産の処分等が必要になった場合に備えて、後見制度か信託契約を検討しています。相談よろしくお願いします
- 私はサラリーマンをしながら、事業用不動産を4棟購入しています。自分が病気や介護になるリスクや相続に備えて、民事信託をやりたいと思って連絡しました
- 家族信託、遺言書、相続の知識経験のある専門家を紹介してください
- 父に認知症の症状が出てきています。父が所有している貸家が何軒かあって、今後管理に支障をきたすことがないように信託を組みたいと思う
- 家族信託で私の財産を妻に信託させる旨を文書化しておきたいです。私が亡くなったときに、私の両親がまだ存命であれば少し財産を両親にも渡したいです。このような場合、どのような信託契約を結べば良いですか?
などの質問が寄せられています。
家族信託・民事信託にできること
家族信託・民事信託という手法を使う人が増えてきています。
家族信託・民事信託にはどのようなことができるのかご紹介します。
連続信託
家族信託・民事信託では「連続信託」という手法が可能です。
遺言書では、一代の財産移転しか指示できません。
「私が亡くなったら、妻と長男に財産を相続させる」という指定ができるのが遺言書ですが、妻と長男に渡ったあとの財産の行方を指定することはできません。
ですが、家族信託・民事信託では、2代先以降の相続財産の指定ができるのです。
「私が亡くなったら、妻に財産を相続させる。妻がなくなったら、甥に財産を相続させる」という指定ができるのです。
2代先以降の相続財産の行方を指定できるのは、家族信託・民事信託の大きな特徴です。
倒産隔離
家族信託・民事信託には「倒産隔離」という機能があります。
信託財産は受託者に移転されるので、原則、委託者の倒産の影響を受けません。
簡単に言うと、差し押さえ対象の財産から除外することができます。
※ただし、債務者である委託者が、債権者を害することを知りながら、自己の債務を逃れるために信託を設定したような場合は、受託者の善意であっても債権者詐害信託となり、債権者の訴えによって取り消すことができます。
相続財産の使途を限定できる
通常の相続であれば、相続財産が相続人(財産をもらう人)に移転したら、相続財産をどう使おうが相続人の自由です。
ですが、家族信託・民事信託を使えば、相続した後のお金の使い道を指定することができるのです。
例えば、「私が亡くなったら孫にも財産を相続させたいが、未成年のうちに大きなお金を渡してしまうと何に使うかわからない。大学進学の資金に使ってほしい」など、相続財産の使い道も指定することができるのです。
障害を持つ子供の親にも信託は有効です。
「もし私が亡くなったら、子供の世話は兄に任せたい。だが、兄が子供のお金を勝手に使わないようにしたい」という場合も、信託が有効です。
ギャンブル好きな配偶者を持つ人にも信託は有効です。
「もし私が亡くなったら、子供の世話は当然夫がすることになるが、ギャンブル依存症の夫はお金を何に使うかわからない。子供のためにだけお金を使えるようにしたい」という場合も、信託が有効です。
不動産の共有名義による塩漬けを防ぐ
不動産名義が複数の人の共有名義になっている不動産は多いです。
共有名義ということは、何をするにも全員の許可が必要です。
リフォームするのも、解体するのも、売却するのも全員の許可がないと何もできません。
共有名義者が増えてしまうと、全員の許可をとるのが難しくなります。
もう売ってしまいたい不動産があるのに、共有名義者とどうしても連絡がつかず、塩漬け状態になっている不動産も多いです。
共有名義の不動産にも、信託が有効です。
名義者は複数でも、受託者(財産を管理する人)を1人に決めておけば、名義者全員(委託者、受益者)の利益になるように不動産を管理・処分することができます。
受託者が1人であれば、名義者全員の許可なくスムーズ決定できます。
認知症や介護対策に信託が有効
親が認知症や介護状態になってしまった後の財産管理に信託が有効です。
例えば、「親が介護状態になってしまったら自宅を売却して、介護施設への入居費用に充てよう」と考えている場合、親が認知症になってしまったら不動産の売却はできません。
判断能力がないということで、不動産の売却契約ができないのです。
親が認知症になる前に家族信託を組んでことをおすすめします。
「親が認知症になったら、財産の管理は長男に任せる」という旨の信託契約を、親が認知症になる前に組んでおけば、親が認知症になっても長男が自宅を売却することができます。
離婚した人にも信託は有効
離婚経験のある人にも信託が有効なケースがあります。
例えば「私(夫)が亡くなったら、妻に財産を相続させたいが、妻の死後に妻の家族に私の財産がいくのは嫌だ。妻が亡くなったあとは、前妻に相続財産が行くようにしたい」というような信託も可能です。
連続信託を使った方法ですね。
また、前妻との間に子供がいる場合は「前妻が亡くなったら、前妻との子供に財産を相続させる」という指定も可能です。
内縁の妻がいる人にも信託は有効
内縁の妻は正式な夫婦ではないため、内縁の夫が亡くなっても相続権がありません。
ですが、信託や遺言書を活用することで内縁の妻に相続財産を遺すことができます。
※もちろん、遺留分の問題はありますが…
例えば「私(内縁の夫)が亡くなったら、内縁の妻に財産を相続させたい。そして、内縁の妻が亡くなったら私(内縁の夫)の弟に財産を相続させたい」ということも信託であれば可能です。
※遺言書では内縁の妻までは財産移転できますが、弟に財産移転ができません。
連続信託を活用すると、自由度の高い相続が可能です。
信託は事業承継にも有効
事業承継に信託を利用する経営者も増えています。
例えば「社長(親)が亡くなったら、子供に次期社長になってほしい。相続のときに子供が自社株を買い取るか相続税を払うのは厳しいから、今から自社株を生前贈与したい。だが、子供にはまだ経営能力がないため、自社株は子供に生前贈与するが、会社の経営権だけは社長(親)に残したい」ケースにも信託が有効です。
自社株が子供に移転しても、経営権を親がもつことができます。
また、子供が一人前の経営者になったら、信託契約を解除すれば大丈夫です。
後見人制度と信託の違い
家族信託・民事信託は後見人制度とよく比較されますが、明確な違いがあります。
後見人の仕事は、委託者の財産を守ることです。
そのため、財産を処分(売却など)できないというデメリットがあります。
「親が介護施設に入って、実家が空き家になっている。売却したい」と思っても、財産を守ることが仕事ですから、実家を売却できません。
どうしても売却したい場合は、家庭裁判所で許可を得る必要がありますが、ほとんど許可はおりません。
それに比べて、信託は受託者が財産を処分することができます。
もちろん、信託契約の目的に沿っていることが条件ですが、家庭裁判所の許可は必要ありません。
信託は後見人制度よりも自由度が高いです。
家族信託・民事信託や相続の相談を無料で受けています
当相談センターでは、家族信託、民事信託、相続、相続税、事業承継などの相談を無料で受けています。
また、必要があれば、信託や相続に強い弁護士、税理士、司法書士、FP(ファイナンシャルプランナー)のご紹介もしています。
私たちは、公平中立な立場で、信託や相続の相談にのっています。
- 相続の相談をしたい
- 相続税の対策をしたい
- 家族信託、民事信託をやりたい
- 信託口口座を開設したい
- 事業承継の相談をしたい
- 信頼できる士業を紹介してほしい
などありましたら、お気軽にお問い合わせください。
相談料は無料です。
「こんなこと聞いていいのかな…?」
「ちょっと聞きたいだけなんだけど…」
という方でも、お気軽にお問い合わせください。